気分的にも身体的にも不調になりやすいこの季節・・という事で今回は『病と健康』について書いて行こうと思います。誰しもが日々健康でありたいと思うものでしょうし、そうある為に大なり小なり努力するでしょうが、『病』というものは誰の身にもある日突然ふりかかったりするものです。その際に少しでも皆さんのご参考になれば・・と思い、仏教的観点から『病と健康と仏教』についてお届けします。
【誰しもが持つ無形の財産】

病気になると自分の病気が一番苦しいとしか思えません。高熱で苦しんでいる時は「高熱ほど苦しいものはない」腹痛で苦しんでいる時は「腹痛ほど苦しいものはない」腰痛・歯痛・頭痛・・今自分が苦しんでいる病が一番苦しいと人は思います。だから「自分のかかっている病気の方が、君の病気よりも楽だ」という事はありませんから、甲乙つけがたいので、〈丙〉の字が使われているといわれています。
最近は健康ブームです。食の安全やサプリメントなどがよく話題にされています。それだけ長生きしたいし、病気で苦しみたくないと思うからですね。でもこれも『四苦』の中の老苦等と一緒で避けようのない事です。それなのに、お金等の目に見える財産は減るとわかりますが、健康等の目に見えない財産はその有難さに気付かず浪費してしまいます。病の苦しみから逃れられないという事は一見ネガティブな感じもしますが、逆に言えば今元気でいる事の有難さを知らされる教えでもあります。
『逆境を越える』という言葉があります。いざその境地に立てば、やはり人はイライラしたり、たじろぎ、うろたえ、打ちひしがれるのが普通だと思います。しかしその逆境を乗り越える為にも様々な事に気付くきっかけとなる病の存在を『病恩』と思い、その心構えを日頃から心がけておく事で、逆境を乗り越える事が出来ると思うのです。
次回はお釈迦様と日蓮聖人のお話から『病と健康』について考えていきましょう。
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