2015年2月21日土曜日

お香・お線香について

【お香お線香のはじまり】

お香のはじまりは紀元前のエジプトで、やはり宗教上の儀礼の為に焚かれていました。その後インドへ伝わります。元来、インドは酷暑ですので臭気に対する配慮が強く、様々なお香が作られました。古代の人々は、お香に防腐・殺菌作用がある事をすでに知っていたのですね。薫香(くんこう)を特に大切にしたお釈迦様は、単なる香りとしてではなく、自らの邪気を払い、体や心の汚れを除き、清浄な功徳があるものとしていました。仏様の食べ物であると同時に、私達がその香りで、自身の精進の心を増し、仏様の境界に近づく術でもあるのです。

日本では推古3年(595年)日本書紀に最初のお香の話が出てきますが、いずれにしても仏教伝来と共に始まったと言えるでしょう。

皆さんのご家庭にあるお線香もお香の一種ですが、その歴史は江戸時代初期に、中国から伝わった線香製造技術と平安時代から蓄積されたお香の調合法や漢方薬・鉄砲鍛冶等の技術と融合し、お線香の製造が始まりました。それ自体に香料と燃焼材料が練りこまれているので、火をつけるだけでいい手軽さがおおいに喜ばれ、現代に至ってはお香の九割を占めるといわれています。

【お線香は何本?ご焼香は何回?】




お線香の本数・ご焼香の回数は宗派や意義によって違います。日蓮宗では基本的に仏(仏様)・法(仏様の教えやお経)・僧(日蓮聖人や僧侶)に供養する為に三本(回)されますが、一念に心を込めて一本(回)でも良いです。お寺の法要や、お葬式等、人数の多い時は、自分だけ時間を取らないように、喪主の時以外はご焼香は一回にしておくのがおススメです。また、お線香を立てる香炉は、三本足の場合、奥(仏様側)に二本、手前に一本がくるように置きましょう。これは、仏様に尖ったものを向けないようにする為です。香炉に紋がある場合は、紋が手前を向くように置いて下さいね。