2015年4月26日日曜日

おつとめについて ①

仏壇を前にしての毎日のおつとめは、大切な時間です。おつとめを仏壇の準備、おつとめの時間帯や次第について説明します。

おつとめ前の仏壇の準備

まず、華瓶の水を取り替えて花を飾ります。花はとくべつ華美なもの、匂いのきついものでなければなんでもかまいません。
次に、仏飯器に炊きたてのご飯を盛り、茶湯器にお茶、あるいは湯か水を入れ、高坏に果物やお菓子を白い紙を敷いて供えます。これらは仏様やご先祖様への感謝の気持ちを表わす意味が込められています。故人の好物などを供える時には、お刺身などの生臭さを感じさせるものや、ニンニク・ニラ・ネギなどのにおいの強いものは避けた方がいいでしょう。
また最近では、仏壇に供えたものを捨ててしまう家庭も少なくないようですが、できれば家族でいただくようにしましょう。

続いてロウソクに火を灯し、その火で線香に火をつけて香炉にさします。三本、あるいは一本を立てます。この三本は仏・法・僧の三宝への供養をあらわしています。正式には三本ですが、状況に応じて一本にすることもあります。
集合住宅など、線香の匂いが近隣に流れて苦情が出るおそれのあるときは、匂いの少ない線香を用いるか、場合によっては少し香りが立ち込めた時点で消してもかまいません。
仏様やご先祖様への供養と、気持ちを清めるために線香を供えるのですから、煙たくなるほど線香をたく必要はないのです。消すときは線香の先端を折るようにします。
ロウソクの炎は原則として燃え尽きるまで、あるいはおつとめが終わるまで灯し続けておきます。
ロウソクの炎は仏様への供養と、故人に対して光明を与えるという意味が込められています。いかなる場合でも、消すときは息をかけてはいけません。ロウソク消しで押さえて消すか、手であおるようにして消します。神聖な仏壇の前で、食べ物の生臭さの混じった息をふきかけて消す事は無作法だからです。これは原則ですから覚えておいてください。
なんらかの事情でロウソクが使えない場合は、電気式ロウソクも市販されていますので、それを利用すると良いでしょう。
以上で、おつとめの際の仏壇の準備は整いました。


おつとめはいつ行なうか

おつとめは、自分が生きている事に対して仏様やご先祖様に感謝しながら、自分を磨く糧なのです。つまり心の食事ということですから、毎日朝と晩の二回、少なくてもどちらか一回は行います。
また、できれば家族一緒に行うのが良いでしょう。仏壇を中心に同じ時間を共有する事は、家族の絆を強くするうえでも好ましいものです。ただし生活が多様化した現代社会では難しいかもしれません。その場合は、一週間に一度でもけっこうですから、家族みんなでおつとめをするようにしたいものです。
原則として、洗顔し身支度を整えた朝食前と夕方頃に行います。おつとめ前には手を洗い口をすすぐなどしてからおこなうようにします。


次回はおつとめの作法について書いて行こうと思います。

2015年4月18日土曜日

数珠について

数珠の形と持ち方

数珠(念珠)を以て仏様を念じれば、百八の煩悩が浄化されて苦しみから救われると信じられています。玉の一つ一つが人間の煩悩を表わしているので、玉が百八個あるのが「本連」と呼ばれる正式な数珠です。しかし、その半分の五十四個の半連、さらにその半分の四半連の小さな数珠もあります。
日蓮宗で使われる数珠は百八個のものが一般的です。お求めの際は日蓮宗の数珠を指定して下さい。あるいは菩提寺で授与していただく場合もあります。
仏壇への礼拝のときは、数珠は手に掛けて合掌します。経本を持っている場合は、左の手首にかけます。
また、房の仕立て方によって「装束(しょうぞく)数珠」と「勤行(ごんぎょう)数珠」の二つがあります。「装束数珠」は、儀式の時に僧侶が用い、「勤行数珠」は壇信徒が使います。
また「珠」の材料は、香木・梅・黒檀・菩提樹・水晶・真珠・珊瑚・象牙・石など様々ですが、単なる装飾品のような気持ちで取り扱う事は慎むべきでしょう。


読経する時は、二重にして、左手親指と人差し指のあいだにかけて合掌します。












法要中、勧請・唱題・回向のときには、一重にし、左右の中指の第一関節部分に親玉をかけて数珠を一度ねじってから合掌礼拝します。










その際、右手に二つの房、左手に三つの房がくるようにします。このとき、もんだり、すり合わせたりしてはいけません。













合掌のしかた

合掌は仏前における基本的な動作です。右手は悟りの世界である仏様を、左手は迷いの世界、つまり私達人間をあらわしているといわれ、合掌することは仏様と一体になる事をあらわします。
合掌の仕方は、両方の手のひらをぴったりとつけて、両手の指が自然に合うようにする。このとき、指がゆるんだり、指と指のあいだがひろがらないように注意しましょう。
合掌するとき、背筋を伸ばして、親指の付け根がみぞおちのあたりにくるようにすると、無理のない、きれいな合掌の姿勢ができあがります。
合掌のときには、きちんと正座をする事が基本である。正座をして、背筋を伸ばし、顎をひくことで姿も美しくなり、気持ちも引き締まるでしょう。

2015年4月13日月曜日

筍掘り

先日、常光寺がいつもお世話になっている植木屋の梶原さんが竹林を持ってらっしゃるとの事で、生まれて初めての筍掘りに行ってきました!

普段見るのとは全く違う、立派な筍が沢山採れました!

しかももっと素晴らしいのは竹林の近くにあるご実家(今は誰も住まわれていないとの事)とその周囲の環境!

お家は立派なはりの見える旧家という感じで、お父様が居間の壁に竹を埋め込んでいたり、一枚の板で作った四間もの長い廊下があったり、表には澄んだ川が流れていて一年中川のせせらぎの聞こえる自然を生かした素晴らしいお宅でした。

車が三台程入る大きな納屋には、沢山の懐かしいお宝があり、その中から「みの」を頂いたのでお寺に飾る事にしました。

お庭で一番目を引いたのは、この時期珍しい、真っ赤に染まった大きな紅葉の木。これは樹齢何百年だそうです。

取れたての筍を、たらい位の大きな鍋で下茹でして頂き、更にはたまたまいらした近所の方に、沢山のお野菜を頂いて、お土産三昧の一日でした。大変有難うございました。

なかなか福岡市内では見る事のない素晴らしい環境に感激しましたが、段々と開発の手が伸びてきており、岩でできた川床を壊したりなどされているそうです。こういった日本の大切な自然はできればいつまでも残ってほしいと祈るばかりです。

2015年4月2日木曜日

日蓮宗の仏具について

一般の家庭に最低備えなければならないものが「三具足(さんぐそく)」と呼ばれる燭台(しょくだい)・香炉(こうろ)・華瓶(けびょう)です。なお燭台と華瓶をそれぞれ一対にして「五具足」とする場合もありますが、普通の大きさの仏壇であれば、三具足で十分です。
・燭台(しょくだい) ロウソクを立て、仏壇に灯明(とうみょう)をともします。灯明は仏様や霊位への供養であると同時に、煩悩(ぼんのう)の闇を消す功徳をもつとされます。

・香炉(こうろ)
線香や抹香(まっこう)を焚く為の仏具で、耳つきのものは耳を両側に、三つ足のものは足の一本が手前正面に来るように置きます。

・華瓶(けびょう)
仏前に花を捧げるための花瓶。

・仏飯器(ぶっぱんき)
毎朝、ご飯をお供えするための茶碗。朝はパン食という家は、昼でも夜でもかまいませんので、一日に一回は仏飯器にご飯を盛ってお供えするようにします。また、お供えしたあとのご飯は捨てないで、できるだけ家族でいただくようにしましょう。

・茶湯器(ちゃとうき)
ご飯と一緒にお茶をお供えするための湯飲み茶碗。香炉の奥の中央に配置します。お湯や水でもかまいません。

・高坏(たかつき)
菓子や果物などのお供物を供えるための器。半紙などを敷いてその上に供物を乗せます。

・鈴(リン)
おつとめするときに叩く小さな鐘(かね)。

・数珠(じゅず)
念珠(ねんじゅ)とも呼ばれます。数珠は信仰の証の一つですので、日蓮宗専用のものを使用するように心がけましょう。百八個の珠が入った念珠がよく使われます。これについてはまた詳しく解説します。

・経本(きょうほん)
おつとめで読誦(どくじゅ)されるお経が記載・収録されています。日蓮宗専用のものを求めます。
その他、必要に応じて次のようなものを求めます。

・線香差し
香炉でたく線香を入れておきます。

・木鉦(もくしょう)
読経・唱題の際に用い拍子をとる仏具です。仏教各宗派はほとんど木魚ですが、日蓮宗では多く木鉦を使用します。ケヤキやカエデから作られており、音も高く、軽快なリズムを刻みます。日蓮宗独自の仏具です。

・団扇太鼓(うちわだいこ)
皮を張り団扇の形をした太鼓で、読経、唱題の際に打ち鳴らします。檀信徒が法要中や、御会式(おえしき)などの練行列中に街頭で唱題に合わせて打ち鳴らしたりもします。大変威勢がよく、木鉦とともに日蓮宗独自の仏具です。

・経机(きょうづくえ)
経本や香炉、鈴等を乗せる机のことで、仏壇の前に置きます。

・打敷(うちしき)
錦や金襴の敷物で、上卓(うわじょく)や前卓(まえじょく)に敷いて使用します。とくに、年回法要などの法事の時に特別に用いたりもします。

・灯籠(とうろう)
仏様や霊位に明かりを供養し、加えて仏壇の内部を照らします。最近では灯明には、ほとんど電球が用いられています。