2015年12月2日水曜日

いい夫婦とは ③

前回に引き続きまして、「夫婦」についてのお話です。

【日蓮聖人から学ぶ「夫婦」とは?!】

ここでは日蓮聖人がおっしゃっている夫婦の在り方について、代表的な三点をあげていきます。

(1)妻は夫を信頼して頑張っていきなさい
   「家に男なければ人の魂なきがごとし」
   「女人となる事は物に随(したが)って物を随える身なり」

(2)夫を支え動かす妻の力を大切にしなさい
   「矢のはしる事は弓の力・・〈中略〉・・男のしわざは女の力なり」

(3)夫婦はお互いを何ものにも代えがたい存在として尊重し合って暮らしなさい
   「男は羽のごとし、女は身のごとし。羽と身と別々になりなば、何を以て飛ぶべき」
   「女人は男を財とし、男は女人を命とす」

日蓮聖人は、夫だから男だから、あるいは働きがあるから女より偉いとか、逆に妻が働きがあるから夫より偉いとかの固定観念は全く持っていらっしゃいませんでした。夫婦の在り方は千差万別であっても、大事な事はお互いを信頼し、尊重する事だとおっしゃっているのです。

【親子は一世、夫婦は二世】

過去・現在・未来を仏教では三世といいます。親と子の関係は現世で終わる一世のもの、夫婦関係は現世と来世の二世に渡るつながりの深いものです。「二世を契る・二世を誓う」とは夫婦になる事、それを誓う言葉として用います。決して親子が冷たい関係であるという事ではないのですが、親子は互いに選ぶ事のできない関係であり、一般的には苦労や努力を重ねて作り上げた関係ではありません。夫婦は本来、他人同士が自分達の意思で作り上げていくものですから様々な葛藤があります。葛藤がある分、絆も深くなります。夫婦は最後の最後まで傍にいて面倒を見ます。「いつまでも伴侶がずっと若く元気でいる」という事はありません。もう結婚生活も長いから・・ではなくその絆の大切さを忘れない事をお釈迦様も日蓮聖人も強くおっしゃっています。

そして、その絆の大切にしている親の背中を見て、子供も「自分も結婚したいな。こんな夫婦を自分も築いていきたいな。」と思います。決して反面教師になる事無く、相手を気遣う配慮・お詫びを入れる勇気を見せていく事は大事な事ですね。元々は他人同士の二人なのですから『親しき仲にも礼儀あり』の心構えが必要なのだと思います。

お札にお願いをする前に、自分で出来る最善の『家内安全』をしていきましょう。