2015年4月2日木曜日

日蓮宗の仏具について

一般の家庭に最低備えなければならないものが「三具足(さんぐそく)」と呼ばれる燭台(しょくだい)・香炉(こうろ)・華瓶(けびょう)です。なお燭台と華瓶をそれぞれ一対にして「五具足」とする場合もありますが、普通の大きさの仏壇であれば、三具足で十分です。
・燭台(しょくだい) ロウソクを立て、仏壇に灯明(とうみょう)をともします。灯明は仏様や霊位への供養であると同時に、煩悩(ぼんのう)の闇を消す功徳をもつとされます。

・香炉(こうろ)
線香や抹香(まっこう)を焚く為の仏具で、耳つきのものは耳を両側に、三つ足のものは足の一本が手前正面に来るように置きます。

・華瓶(けびょう)
仏前に花を捧げるための花瓶。

・仏飯器(ぶっぱんき)
毎朝、ご飯をお供えするための茶碗。朝はパン食という家は、昼でも夜でもかまいませんので、一日に一回は仏飯器にご飯を盛ってお供えするようにします。また、お供えしたあとのご飯は捨てないで、できるだけ家族でいただくようにしましょう。

・茶湯器(ちゃとうき)
ご飯と一緒にお茶をお供えするための湯飲み茶碗。香炉の奥の中央に配置します。お湯や水でもかまいません。

・高坏(たかつき)
菓子や果物などのお供物を供えるための器。半紙などを敷いてその上に供物を乗せます。

・鈴(リン)
おつとめするときに叩く小さな鐘(かね)。

・数珠(じゅず)
念珠(ねんじゅ)とも呼ばれます。数珠は信仰の証の一つですので、日蓮宗専用のものを使用するように心がけましょう。百八個の珠が入った念珠がよく使われます。これについてはまた詳しく解説します。

・経本(きょうほん)
おつとめで読誦(どくじゅ)されるお経が記載・収録されています。日蓮宗専用のものを求めます。
その他、必要に応じて次のようなものを求めます。

・線香差し
香炉でたく線香を入れておきます。

・木鉦(もくしょう)
読経・唱題の際に用い拍子をとる仏具です。仏教各宗派はほとんど木魚ですが、日蓮宗では多く木鉦を使用します。ケヤキやカエデから作られており、音も高く、軽快なリズムを刻みます。日蓮宗独自の仏具です。

・団扇太鼓(うちわだいこ)
皮を張り団扇の形をした太鼓で、読経、唱題の際に打ち鳴らします。檀信徒が法要中や、御会式(おえしき)などの練行列中に街頭で唱題に合わせて打ち鳴らしたりもします。大変威勢がよく、木鉦とともに日蓮宗独自の仏具です。

・経机(きょうづくえ)
経本や香炉、鈴等を乗せる机のことで、仏壇の前に置きます。

・打敷(うちしき)
錦や金襴の敷物で、上卓(うわじょく)や前卓(まえじょく)に敷いて使用します。とくに、年回法要などの法事の時に特別に用いたりもします。

・灯籠(とうろう)
仏様や霊位に明かりを供養し、加えて仏壇の内部を照らします。最近では灯明には、ほとんど電球が用いられています。

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