数珠(念珠)を以て仏様を念じれば、百八の煩悩が浄化されて苦しみから救われると信じられています。玉の一つ一つが人間の煩悩を表わしているので、玉が百八個あるのが「本連」と呼ばれる正式な数珠です。しかし、その半分の五十四個の半連、さらにその半分の四半連の小さな数珠もあります。
日蓮宗で使われる数珠は百八個のものが一般的です。お求めの際は日蓮宗の数珠を指定して下さい。あるいは菩提寺で授与していただく場合もあります。
仏壇への礼拝のときは、数珠は手に掛けて合掌します。経本を持っている場合は、左の手首にかけます。
また、房の仕立て方によって「装束(しょうぞく)数珠」と「勤行(ごんぎょう)数珠」の二つがあります。「装束数珠」は、儀式の時に僧侶が用い、「勤行数珠」は壇信徒が使います。
また「珠」の材料は、香木・梅・黒檀・菩提樹・水晶・真珠・珊瑚・象牙・石など様々ですが、単なる装飾品のような気持ちで取り扱う事は慎むべきでしょう。
読経する時は、二重にして、左手親指と人差し指のあいだにかけて合掌します。
法要中、勧請・唱題・回向のときには、一重にし、左右の中指の第一関節部分に親玉をかけて数珠を一度ねじってから合掌礼拝します。
その際、右手に二つの房、左手に三つの房がくるようにします。このとき、もんだり、すり合わせたりしてはいけません。
合掌のしかた
合掌は仏前における基本的な動作です。右手は悟りの世界である仏様を、左手は迷いの世界、つまり私達人間をあらわしているといわれ、合掌することは仏様と一体になる事をあらわします。
合掌の仕方は、両方の手のひらをぴったりとつけて、両手の指が自然に合うようにする。このとき、指がゆるんだり、指と指のあいだがひろがらないように注意しましょう。
合掌するとき、背筋を伸ばして、親指の付け根がみぞおちのあたりにくるようにすると、無理のない、きれいな合掌の姿勢ができあがります。
合掌のときには、きちんと正座をする事が基本である。正座をして、背筋を伸ばし、顎をひくことで姿も美しくなり、気持ちも引き締まるでしょう。
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