元々は、「屍(しかばね)を蔵する」という意味で、その事を日本では「はふり(波夫里)」「とぶらひ」と言っていました。そして、この故人の屍をとむらう儀式を「葬式」や「葬儀」といいます。
インドをはじめ世界各地では、大体土葬・火葬・水葬。林野葬の4つに分かれます。各々方法は違っているように見えますが、どれも「屍を大自然へ送りかえす」という共通点があります。死体を上下から隠し見えなくするという意味の「葬」という字体が、草と草の間に「死」と書く事からも自然の大地にかえって行く事を表わしているようですね。
そして、日本の葬式は、葬式を重要視する中国社会を基盤とし時代の流れや科学文化・生活様式の発達変遷と共に移り変わり、現在のスタイルになりました。
ただ、「死」というものは人間の最も大きな苦しみです。この苦しみを克服する為に、宗教的救いがあります。特に仏教(日蓮宗)では、肉体が死んでも、その生命活動は永遠不滅の存在であり、信仰者は死後、お釈迦様がいらっしゃる霊山浄土(りょうぜんじょうど)におもむき、お釈迦様と共に生きていく・・という考えが浸透しています。お葬式は、故人が死の苦しみを乗り越えて霊山浄土への旅立ちを祈り、故人の徳に感謝をし、互いに別れの悲しみを分かち合いながらも、自分自身が明日の人生を生きていく為の大切な儀式ですので、心がこもったものにしていきましょうね。
《納棺後からの簡単な流れ》※宗派・地域の習慣等により多少異なります。
喪主(もしゅ)を決める
亡くなった方の葬式をはじめ、その後の祭祀(法人等)等故人の責任を受け継ぐ人の事を「喪主」と言います。それは遺族の代表であり、多くの場合は長男が喪主となっていましたが、現在では必ずしも長男とはきまっておらず、故人の夫や妻、特別な事情がある場合などは、故人と深い関係にある人の中から決める事もあります。
世話人代表を決める
世話人代表は葬儀に関する業務全般を統括する人で、家族以外の人が担います。一般的には親戚・あるいは故人の友人・町内会の役員や会社の中から、信頼と責任・経験のある人が選ばれます。どうしても故人の周りの方々が無理な場合は葬儀社が代行してくれます。
葬儀社との打ち合わせ
喪主・世話人代表・菩提寺(ぼだいじ)の僧侶と一緒に葬儀に関する綿密な打ち合わせをします。葬儀社は、棺(ひつぎ)の飾りつけ・死亡届から火葬場の手続き・霊柩車、会葬者のマイクロバスや車の手配・故人の遺影などあらゆる世話をしてくれます。しかし、料金は基本料金とオプションに分かれていますので、自分達でできる事と依頼することをきちんと確認しておく必要があります。また最近では葬儀社も多様ですのでどこの葬儀社に決めればよいのかを、周囲の人や菩提寺の住職に相談しておくと尚良いです。
葬儀会場・規模を決める
葬儀会場は会葬者の人数や規模によって決めるようにします。自宅や菩提寺でとり行うのが普通ですが、最近は斎場を借りる事も多いです。公共の場合は、安価で火葬場に付属している事もあり便利ですが、形式的になりがちで、手配を速やかに行わなければなりません。自宅で行う場合は「道路専用使用許可」が必要になります。自宅や菩提寺で行う場合は、菩提寺の住職によく相談して下さい。
葬儀日程を決める
菩提寺と相談しながら、近親者が集まれる日・火葬場の予約も考慮しつつ、通夜と葬儀の日程を決めます。日程が決まったら、故人の氏名・葬儀の日時と場所・喪主・家族・親族・友人代表名等を記入した死亡通知表を作成・印刷して郵送します。親戚や親しい関係の人であれば電話でも構いません。
次回に続きます。
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