2015年3月14日土曜日

仏事マナー ②

前回に引き続き、お別れ仏事マナーについてお話ししていきます。大切な人とのお別れの時に慌てないための参考になれば幸いです。

枕飾り
故人の枕元に供養の壇を設けます。小さな机の上に白い布をかけ、その上に必要な物を置きます。花瓶には樒(しきみ)又は菊等を一本飾ります。水・枕飯・箸は生前使用していた湯呑・茶碗を使用します。枕飯は必要な量だけ新しく炊いて全て盛り切り、その上に箸を揃えて垂直に立てます。枕団子は米粉(上新粉)をこねて蒸したものを10個以上三宝か皿にピラミッド状に積み上げます。
最近では葬儀社が準備してくれる事もあります。樒は別名仏前草といい、香を焚くのと同じ役割があり、有毒である為魔除けの意味を持ちます。ロウソクや樒(菊等)が一本なのは「二度とこのような悲しい事が繰り返されないよう」という願いが込められています。

枕経
お坊さん(基本的に菩提寺の住職)に枕飾りの前で読経して頂きます。「安らかにあの世へ旅立てるように」と言う意味と、魔が故人に入らないようにする意味を持ちます。
元々は死期が目前となっている人に死の恐怖と不安を少しでも和らげ、安心できるよう、読経するものでした。

納棺
基本的に遺体を安置した夜か翌日の朝に行われます。生前愛用していた品を一緒に納めますが、火葬の関係上不燃物は控えます。ふたには釘を打たずに、棺掛(ひつぎかけ)をかけて祭壇に安置します。
納棺は出来るだけ身内全員で当たるようにして下さい。

(仮)通夜
葬儀の前日に、夜を徹して故人を偲び弔う事をいいます。死後24時間以内は火葬してはいけないという決まりがありますので、死亡時刻が午後遅くなると、葬儀の日が一日延び、翌日に正式なお通夜、死亡当日の夜はごく近親者だけで故人をお守りします。これを「仮通夜」と言います。本来ならば「丸通夜」といって、夜通しで行っていました。現在では「半通夜」といって夜7時頃から始めて2~3時間で終わるケースも多く簡略化されつつあります。
元々は、悪霊や魔物から故人を守る為に一晩中火を灯して過ごしたのが始まりでした。現在も通夜の灯明は一晩中つけておくのが習わしですので、遺族のうち必ず誰か一人は起きて、ロウソクの火を絶やさないようにします。
最近では仕事等の都合上、どうしても葬儀に出席できない方々が出席する場合も多くなってきました。

葬儀・告別式
故人を安らかに霊山浄土へ送る厳粛な儀式の事をいいます。以前は遺族や近親者、特に親しかった人達だけで行われるものでした。告別式は明治以降に作られた新語で、宗教儀礼の意味を含まない「最後のお別れの儀式」の事です。今では葬儀に引き続いて一般会葬者の為に焼香の時間を設ける事を告別式というようになってきています。
正式には葬儀と告別式は別に行うものですが、最近では一緒に済ませる事が多く、葬儀と告別式を同じ儀式だと考えている場合が多くなってきました。

以上が臨終から葬儀までの簡単な手順です。次回は納棺後からの事についてもう少し詳しくお話ししていきます。


0 件のコメント:

コメントを投稿