2015年3月21日土曜日

仏事マナー ④

前回からの続きです。
なお前回も書きましたが、細かい部分は宗派、地域の習慣等によって違う場合がありますので、大まかな部分での参考として考えていただければ幸いです。

通夜(遺影)の準備
式場を借りた場合、全て葬儀社や世話人代表の方が対応してくれます。自宅で行う場合は家族がある程度監督をしなければならない場合があります。また、御本尊に見守られてとり行う為、家庭の仏壇は開けておきます。遺影は正面を向いていて、かつ故人の人柄が出ているものが良いです。最近は加工処理技術が発達していますので、小さく写っていたり、団体で写っているものしかなくても心配ありません。

通夜
喪主と遺族は弔問(ちょうもん)の時間は故人の傍にずっといて、弔問客に丁寧に挨拶する事に専念します。お悔やみの言葉を伝える側も受ける側も長くなく、言葉少なく心を込めていうべきです。読経中に僧侶又は司会者から指示があり、焼香の時間があります。焼香は喪主以下、席次の順に行います。

喪主の挨拶
焼香が済み、導師(僧侶)が退席されたら喪主の挨拶になります。①参列者への感謝の気持ち②故人療養中のお見舞いや、生前のお付き合い等について③通夜が何宗の何というお寺の何という僧侶によって勤められたのかの報告④通夜ぶるまいの用意がある事を伝えます。

通夜ぶるまい
弔問客にお礼として軽食でもてなす事を「通夜ぶるまい」〈「お斎(おとき)」ともいいます〉昔は精進料理でしたが、最近ではお酒やジュース、仕出しや寿司、折詰が多いです。僧侶が参列しない場合は「お膳料」を「お車代」と一緒に渡します。1時間程度で、喪主や世話人代表がお開きの挨拶をします。

葬儀
要領は通夜とほぼ同じですが、弔辞を述べて頂く方の確認、火葬場に行く方の人数等や行く手段の確認はしておきましょう。

別れ花
僧侶が退席したらお別れの準備に入ります。棺を式場の中心に安置し、蓋を取って身内の者から供えられていた花で故人の周囲を飾ります。納棺の際に入れてなかった故人の愛用品があれば、この時に入れます。

出棺
近親者や故人と親しかった人達で棺を担ぎ、霊柩車に運びます。霊柩車に安置したら、遺族・親族は式場を背にして会葬者に対面する形で並びます。近親者が遺影を持って、喪主は位牌を持ち、挨拶をします。①会葬へのお礼②生前の厚誼(こうぎ)に対する感謝③故人の思い出④遺族への今後の厚誼等を簡潔に述べます。その後霊柩車を先頭に、僧侶→喪主→遺族→親族→世話人代表・・という順番で火葬場に出発します。

荼毘(だび)お骨上げ
火葬の事をいいます。棺が火葬炉に安置され位牌・遺影・花などが飾られ、点火と同時に僧侶が読経・焼香をし、その後葬儀と同じ順番で一同が焼香します。火葬の間、控室で軽食等を頂きながら故人を偲(しの)びます。お骨上げは原則として、渡し橋といって二人一組で行います。〈ちなみにこの事から日常の食事で箸から箸へ食べ物を渡す事が禁じられています。また「箸」と「橋」の同音から、「故人をこの世からあの世への三途の川を渡してあげる」という「橋渡し」に結びつけた習慣です。〉足の方から上半身へと骨を拾っていき、最後に係員の指示で喉仏(のどぼとけ)を喪主が拾います。骨壺は白木の箱に入れて白い布で包み、喪主が抱いて、来た時と道を変えて帰ります。分骨を希望する時はあらかじめ連絡しておきましょう。

初七日
最近では葬儀の日に、初七日忌の法要を行う場合が多くなってきました。帰宅したら、祭壇後に用意されている小机の上に遺骨・位牌・遺影を安置し、提灯を付け、線香を立て、霊膳や水を供え僧侶が読経します。

精進落とし
喪主や遺族がお世話になった僧侶・世話人・親族・知人等にお礼の食事会を接待します。喪主はこの時に、葬儀が無事に済んだお礼の挨拶をします。

以上が大まかな流れです。細かい所は省略しましたが、機会があればまた書いて行こうと思います。

次回はお葬式についてのQ&Aを書いて行こうと思います。

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