
現在の浄水場の地に筑紫の国の守護神『安高天玉(やすたかてんのう)』が祀られるようになったと伝えられています。
かつて日本は農地が多く、水が大変重宝され人々の生活の支えになっていた為、幾度も雨乞いが行われており、高宮の地もその例外ではありませんでした。
ある日、(龍神)池より突如として龍が現れ、如意山の奥地へと昇っていきました。時が過ぎ、それを耳にした当時の日蓮宗第二十二代管長(日蓮宗の総理大臣的な方)、河合日辰猊下(かわいにっしんげいか)はひどく感銘をうけ、この龍を如意山の守護神『如意龍玉(にょいりゅうおう)』と名付け、池に宝塔を建てる事をお決めになり、高さ七メートルにもなる岩を現在の油山より馬牛車で運び、猊下直筆の「南無妙法蓮華経」を刻みました。その後、現在も様々な災害等にひるむことなくそびえ建っています。これが龍神池伝説の成り立ちです。日辰猊下の「辰」という字からも不思議な御縁を感じるお話ですね。
以前は如意山の各所に湧水があり、近所の人々は山を登りこの湧水を汲み運んで、日々の暮らしに使用していました。龍神池伝説の後、昭和に入り高宮に浄水場建設が実現され、同時に住宅地化していったこの地には水道を通して水を利用できるという素晴らしい環境が整いました。その一方いつのまにか湧水の存在はなくなってしまったようです。
浄水場建設の折、祀ってあった安高天玉・日車天玉(ひぐるまてんのう)と如意龍玉は常光寺先代の玄常院日勤(げんじょういんにちごん)上人の手によって、現在の奥ノ院に祀られるようになりました。
残念ながら龍神池は地域の人口増加と共に不法投棄等で汚染されているのが現状です。地域の皆さんの一人一人の心がけで、龍神様の御姿が拝見できるくらい、澄んだ池に戻る日がくると良いですね。
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