2015年11月29日日曜日

いい夫婦とは ②

なにやら急に寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今回はお釈迦様の言葉から「夫婦」について学んで行こうと思います。

【お釈迦様から学ぶ「夫婦」とは?】

昔々、インドにシンガーラという出来の悪い若者がいました。シンガーラの父親は亡くなる直前に息子の事を心配して「六方を礼拝しなさい」と告げました。シンガーラは父親の遺言を守ろうと決意しましたが、肝心の「六方とは何か?」という事を知らなかった為、どうすればよいのかわからず、東西南北上下をただ闇雲に拝みました。シンガーラは「人に言われたからやる」という性格で、物事をしっかり理解しようとはしません。
ある日、この様子を見ていたお釈迦様は「人に言われたからやるのではありません。物事には意味があるのでしょう。六方の礼拝の仕方はそのようなやり方ではありませんよ。」とおっしゃって正しい六方の意味を定義なされました。六方とは人間関係の事であり〈東=親子関係〉〈南=師弟関係〉〈西=夫婦関係〉〈北=友人関係〉〈上=宗教者と在家者の関係〉〈下=主従関係〉です。これらの六つの関係を正しく守る事で、安全に幸福に暮らせる、と説かれたのです。この教えを説いている経典を『六方礼経(ろっぽうらいきょう)』といいます。

六方礼経から学ぶ『夫婦円満の秘訣』!

西の方角というのは夫婦関係です。家族が円満であれば、西の方角から自分を護った事になります。社会では人間関係に困っているという人が多いようですね。円滑な人間関係を築く為に、色々と勉強もします。しかし人間関係といえば、会社との関係・会社の同僚との関係ばかりを考え、家族は人間関係の枠に入らないと思われる方も多いと思います。ところがこれはとんでもない間違いなのです。家族との関係も円滑に出来ない人が社会に対しての人間関係がうまくいくわけはありません。伴侶や子供の気持ちがわからなくても、会社ではリーダー格でいる人もいますが、このようなリーダーは、社会に対しても危険な存在だといわれています。
円滑な人間関係を築きたい方は、まず家族との円満な関係を作るべきで、子供よりも先に伴侶との関係が何よりも大事です。この経典は、元々シンガーラに説かれたものなので、先に、奥さんとの関係が説明されています。必要な条件は五つあります。

①奥さんを誉める事

②奥さんを軽蔑しない事

③奥さんを裏切らない事、不倫しない事

④家の権利を任せる事

⑤奥さんがおしゃれもできるように、服や装飾品などを与えてあげる事

「何だそんな事か」という気もするかもしれません。しかし、2500年前のインドの社会では、女性にも平等な立場があったかどうかわかりません。「女は家の付属品」とおもわれていたのではないでしょうか。これは、お釈迦様が女性の心理をお分かりになって、説かれたものではないかといわれています。

次に、奥さんが夫に対して守るべき五つの条件です。

①仕事を良く処理する

②両家の親族を大切にする

③不倫しない

④家の財を守る

⑤勤勉になすべき事を、上手にこなす

現代社会では、家事をせず外で仕事だけをしたがる女性もいます。また逆に、夫婦共働きなのに、家事は女性だけの責任だと思う男性もいます。お釈迦様は男女平等だと見てらっしゃるのです。男性が外で仕事をするなら、家事は女性の仕事だとここではおっしゃっています。昔は「会社で仕事」という形ではなかったので、家の収入を得る為に、女性もお手伝いした事でしょう。だから、家の財を守る・管理する事などに女性の参加は不可欠だったと思われます。
夫婦でこの10項目をよく理解し、生活するならば、円満な家庭環境を築く事が出来るとお釈迦様はおっしゃっています。

次回は日蓮聖人から「夫婦」について学びます。

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