
昔々古代インド、マガダ国の首都である王舎城という街で、次々に子供がさらわれるという事件が起こりました。どんな方策を講じても一向に効きません。人々はこれは夜叉鬼神のしわざとおもい鬼神供養までするのですがやっぱり効きません。ある日人々は同時に夢をみます。夢の中に天神さまが現れて、「子供をさらっているのはハーリティという女夜叉の仕業で、子供を食い殺してしまう。それを救う道はお釈迦様にお願いするより他に道はない」と。しかしハーリティは王舎城を守るサプタ夜叉という神様の姉でした。人々はなぜハーリティがそのようなことをするのかわからずお釈迦様のもとを訪れ、必死にすがりました。
あくる日お釈迦様はハーリティの住む山に出向かれました。ハーリティには五百人の子供がいましたが、彼女が留守の間に一番可愛がっている末っ子のピンガラを鉢の中に封じ込めてつれて帰りました。しばらくして何も知らないハーリティはいつものように子供をさらって帰り着き、子供達を呼び寄せましたがピンガラの姿が見当たりません。ハーリティは七日間世界中を探し回り、ついにお釈迦様の元に辿り着き、子供の行方を尋ねました。そこでお釈迦様は子供を失う親の悲しみを悟らせ、仏法に帰依させます。その後彼女は世の全ての子供達を守り、困っている人々を助け、仏の道を説き弘める方々を守護する善神の鬼子母神様となりました。
このお話はご存知の方も多いでしょうが、そもそもなぜ本来王舎城を守るべき立場にあるハーリティがこのようなことをしてしまったのでしょうか?次回はその謎についてせまります!
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