2014年4月2日水曜日

花まつり

4月8日はお釈迦様の誕生日です。この日のお祝いに多くのお寺では「花まつり」という行事がおこなわれています。この名前の由来はお釈迦様がお生まれになったルンビニーの花園から来ています。その為、この行事では、沢山のお花を飾った誕生仏(生まれた時のお釈迦様の姿)にお参りします。

もう一つ、花まつりに欠かせないアイテムとして、甘茶があります。これは砂糖入りのお茶ではなく、ユキノシタ科のアマチャやウリ科のアマチャズルを煎じた飲料です。麦茶のような色をしてちょっと甘苦い味がします。お参りに来た人はこの甘茶を誕生仏にかけます。お釈迦様が生まれた時、天から龍王が現れ、甘露の雨を降らし、お体を清めた事がこの由来です。またこの行為から初めは花まつりを「灌仏会(かんぶつえ)」と呼んでいました。「仏様に甘茶を灌(そそ)ぐ行事」という意味です。花まつりは明治時代につけられた名前です。最近ではこの甘茶を参詣者に振る舞うお寺もあります。飲まれる機会があれば、お釈迦様が生まれてきてくれた事に感謝の気持ちを込めながら飲みましょうね。ちなみに常光寺ではお花の種をお配りしています。


余談ですが、失敗して物をダメにする事を「オシャカになる」という言い方で表す事がありますね。実はこれも花まつりの日に因んでいるという説があります。昔、江戸の鍛冶職人があぶり過ぎて鈍ってダメにしてしまった金物に対して、江戸っ子訛りで「しがつよかった(火が強かった)」→「4月8日だ」→「お釈迦様の誕生日」というつながりで成立したそうです。


またお釈迦様は蓮の花の上に乗っておられます。蓮の花は泥水が濃ければ濃いほど大輪の花を咲かせます。真水のような綺麗な水の中では、蓮の花は小さな花しか咲かせません。蓮の花が立ち上がるにはものすごく汚い泥水が必要なのです。泥水を人生に置き換えると、辛い事・苦しい事・悲しい事です。蓮の花が咲く事は、まさに人生の中で花を咲かせる事、そしてその花の中にある実が「悟り」なのです。辛く苦しく悲しい思いと経験がなければ、人間は悟る事ができない、とお釈迦様は教えたかったのでしょうね。

次回ももう少しお釈迦様について書いてみたいと思います。

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