仏壇を前にしての毎日のおつとめは、大切な時間です。おつとめを仏壇の準備、おつとめの時間帯や次第について説明します。
おつとめ前の仏壇の準備
まず、華瓶の水を取り替えて花を飾ります。花はとくべつ華美なもの、匂いのきついものでなければなんでもかまいません。
次に、仏飯器に炊きたてのご飯を盛り、茶湯器にお茶、あるいは湯か水を入れ、高坏に果物やお菓子を白い紙を敷いて供えます。これらは仏様やご先祖様への感謝の気持ちを表わす意味が込められています。故人の好物などを供える時には、お刺身などの生臭さを感じさせるものや、ニンニク・ニラ・ネギなどのにおいの強いものは避けた方がいいでしょう。
また最近では、仏壇に供えたものを捨ててしまう家庭も少なくないようですが、できれば家族でいただくようにしましょう。
続いてロウソクに火を灯し、その火で線香に火をつけて香炉にさします。三本、あるいは一本を立てます。この三本は仏・法・僧の三宝への供養をあらわしています。正式には三本ですが、状況に応じて一本にすることもあります。
集合住宅など、線香の匂いが近隣に流れて苦情が出るおそれのあるときは、匂いの少ない線香を用いるか、場合によっては少し香りが立ち込めた時点で消してもかまいません。
仏様やご先祖様への供養と、気持ちを清めるために線香を供えるのですから、煙たくなるほど線香をたく必要はないのです。消すときは線香の先端を折るようにします。
ロウソクの炎は原則として燃え尽きるまで、あるいはおつとめが終わるまで灯し続けておきます。
ロウソクの炎は仏様への供養と、故人に対して光明を与えるという意味が込められています。いかなる場合でも、消すときは息をかけてはいけません。ロウソク消しで押さえて消すか、手であおるようにして消します。神聖な仏壇の前で、食べ物の生臭さの混じった息をふきかけて消す事は無作法だからです。これは原則ですから覚えておいてください。
なんらかの事情でロウソクが使えない場合は、電気式ロウソクも市販されていますので、それを利用すると良いでしょう。
以上で、おつとめの際の仏壇の準備は整いました。
おつとめはいつ行なうか
おつとめは、自分が生きている事に対して仏様やご先祖様に感謝しながら、自分を磨く糧なのです。つまり心の食事ということですから、毎日朝と晩の二回、少なくてもどちらか一回は行います。
また、できれば家族一緒に行うのが良いでしょう。仏壇を中心に同じ時間を共有する事は、家族の絆を強くするうえでも好ましいものです。ただし生活が多様化した現代社会では難しいかもしれません。その場合は、一週間に一度でもけっこうですから、家族みんなでおつとめをするようにしたいものです。
原則として、洗顔し身支度を整えた朝食前と夕方頃に行います。おつとめ前には手を洗い口をすすぐなどしてからおこなうようにします。
次回はおつとめの作法について書いて行こうと思います。
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