これから二回にわたり書いて行きます。今回は「大切な方との最期のお別れの時・・いざとなったらどうしていいかわからない」という方々の為に、臨終からの簡単な手順をお届けします。
臨終
医師による死亡確認をすると「死亡診断書」が渡されます。同紙の「死亡届」に遺族が記入し、それを役場の戸籍課(24時間受け付けています)に持っていき「火葬認可証」を交付してもらいます。これがないと埋葬も火葬もできませんので早めに対処するよう、注意して下さいね。葬儀社へ葬儀を依頼する場合は代行してもらえる場合もあります。
これから、通夜や葬儀となりますと、関係者に対する心付け等で随時お金がかかるようになり、それ相当の現金を手元に置いておく必要があります。預金など、早めに引き出しておくとよいです。
末期の水(死に水)
臨終を告げられたら、立ち会った家族や近親者は故人に最後の水を飲ませます。新しい割り箸や筆の先にガーゼか脱脂綿を巻き付けて白い糸でゆわえ、それを茶碗の水に浸して軽く唇を濡らします。
お釈迦様が入滅(亡くなる)の際に水を求めたところ、鬼神が応じたという故事に由来しています。故人の痛みを思いやる気持ちを込めて行って下さいね。
連絡
まず、菩提寺(ぼだいじ)に死亡した旨、枕経(まくらぎょう)の依頼の連絡をします。遺族は住職の指示に従ってとり行います。次に、臨終の席に間に合わなかった近親の人々や、生前故人と特別に縁の深かった人、そして葬儀社に直ちに連絡します。
菩提寺とは先祖代々のお墓や位牌(いはい)をおき、死後の冥福を供養するお寺の事です。菩提寺が遠方の場合でも連絡し、指示をあおぎます。
湯灌(ゆかん)
ぬるま湯で遺体を清め、清らかな姿で霊山浄土(りょうぜんじょうど)へ旅立って頂く為のものです。現在ではアルコールで含ませたガーゼや脱脂綿でふき取る事も多くなりました。口・耳・鼻・肛門などに脱脂綿をつめ、男性は髭を剃り、女性は薄い化粧をします。
病院で死亡した場合は看護師さんが手伝ってくれ、清潔な浴衣か和式の寝巻に着せ替えてくれますが、できるところはなるべくご家族や近親者の方の手で行い故人を悼む気持ちを示してあげて下さい。
自宅へ搬送
この時家族の誰かが先に自宅へ行き、故人を迎える部屋を掃除して敷布団を敷いておきます。遺体を温めないように、敷布団は一枚、掛布団は薄手のものにします。遺体が自宅に搬送されたら、用意しておいた布団に寝かせ、顔は白い布で覆います。基本的に、頭は北に向けるのが習わしです。また、布団の胸のあたりに「守り刀」を置く風習もあります。これは故人があの世に行く際の魔除けの意味があります。小刀等でも良いですし、葬儀社が木製の短刀を用意してくれる場合もあります。死装束を着せていない場合は、この時に行います。
北枕にするのは、お釈迦様が入滅された際に「頭北面西右脇臥(ずほくめんさいうきょうだ)」の姿勢、つまり頭を北にして顔を西に向けておられた姿からきたもので、部屋の位置関係でどうしても北枕が出来ない場合は西枕にしても差し支えありません。
守り刀の風習はお釈迦様の弟子となる為の剃髪(ていはつ)の儀式になぞられたものです。
死装束(しにしょうぞく)
故人が旅立ちをする為の衣装の事をいいます。昔はお遍路さんのような恰好でしたが、最近では生前の思い入れのあった衣類を着せる事が多いです。そして、両手は胸の上で合掌させ、数珠を持たせます。納棺の際に行う場合もあります。三途の川の渡し賃なども考えてお金を持たせることも多いです。
最近では葬儀社が対応してくれますが死装束は「故人が旅で不自由しないよう・・」という思いを込めて準備して下さい。
次回は枕飾りから葬儀までについてお届けします。
次回は枕飾りから葬儀までについてお届けします。
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