前回からだいぶ間があいてしまってすいません。今回は妙法蓮華経方便品第二の現代語訳などを書いていこうとおもいます。かなりの長さになりますが、8月に書いた開経偈と共に、皆様がお経を読む時に少しでも助けになれば・・という気持ちを込めてお届けします。
今回は真読(しんどく)・訓読(くんどく)・現代語訳と少しずつ区切って書いていきます。多少見づらいかもしれませんが、ご容赦ください。
【妙法蓮華経方便品第二の現代語訳】
爾時世尊。從三昧。安詳而起。告舎利弗。
爾の時に世尊、三昧より安詳として起って、舎利弗に告げたまわく、
その時お釈迦様は、瞑想(めいそう)を終えられて静かにたちあがられると、舎利弗(しゃりほつ)に向かってこう告げられました。
諸佛智慧。甚深無量。
諸仏の智慧は甚深無量なり。
あらゆる仏(悟った者)の智慧(ちえ:正しく物事を認識し、判断する能力)は他の人々にとっては想像もつかない位、とても奥深いものなのです。
其智慧門。難解難入。一切聲聞。辟支佛。所不能智。
其の智慧の門は難解難入なり。一切の声聞・辟支仏の知ること能わざる所なり。
仏の智慧に至るまで導いてくれるその門は理解しがたく、その中に入っていく事はとうてい難しいのです。教えを直に受けた声聞(しょうもん※1)の弟子や、一人で修業し、悟りを開いた全ての仏弟子(ぶっでし)さえも、それを知る事はできないのです。
所以者何。佛曾親近。百千萬億。無數諸佛。
何以は何ん、仏曾て百千万億無数の諸仏に親近し、
なぜなら、どんな仏もかつて百、千、万、億、いや無数の仏の側(そば)に親しく仕(つか)え、
盡行諸佛。無量道法。勇猛精進。名稱普聞。
尽くして諸仏の道法を行じ、勇猛精進して、名称普く聞こえたまえり。
悟りを得る為にとても沢山の教えを修行し、仏に尽くし、勇気を奮い立たせ、ひたすら精進したからこそ、その名前がこうして広くつたわっているのです。
成就甚深。未曾有法。随宜所説。
甚深未曾有の法を成就して、宜しきに随って説きたもう所
そうしたとても深く、未(いま)だかつて示された事のない教えを全て成し遂げて、人々に対しては、聞く者の状態に応じて適切に教えを説いて来ましたが、
意趣難解。
意趣解り難し。
教え方は適切であっても、その説法の真の目的を理解する事は難しいのです。
舎利弗。吾從成佛已来。種種因縁。種種譬諭。廣演言教。
舎利弗、吾成仏してより已来、種種の因縁・種種の譬諭をもって、広く言教を演べ、
舎利弗よ。私は仏となって以来、様々な実例やたとえ話を用いて、広く教えを伝え、
無數方便。引導衆生。令離諸著。
無数の方便をもって、衆生を引導して諸の著を離れしむ。
巧みな方法を数え切れないくらい用いて、人々を悟りの道へと引き入れ、あらゆる執着から離れさせてきました。
所以者何。如来方便。知見波羅蜜。皆已具足。
所以は何ん、如来は方便・知見波羅蜜皆已に具足せり。
なぜそのような事ができるのかというと、仏は人々を導く為の巧みな方法とそれを使うべき智慧を兼ね備えているからです。
舎利弗。如来知見。廣大深遠。
舎利弗、如来の知見は広大深遠なり。
舎利弗よ。仏の智慧はこのように、限りなく広く深いのです。
無量無礙。力。無所畏。禅定。解脱。三昧。深入無際。
無量・無礙・力・無所畏・禅定・解脱・三昧あって深く無際に入り、
すなわち、全ての人に福を生じさせる徳〈無量〉・教えを説く完全な自由自在の力〈無礙(むげ)〉・この世のあらゆる物事を知る力〈力(りき)〉・何事も恐れる事無く法を説く勇気〈無所畏(むしょい)〉・心の乱れを防いで静かに真理に思いをこらす境地〈禅定(ぜんじょう)〉・あらゆる執着から抜け出て真の安心を得る心の持ち方〈解脱(げだつ)〉・精神を集中してその一念を正しく保つ精神統一の方法〈三昧(さんまい)〉を全て備(そな)え、限りなく奥深い境地に入り
成就一切。未曾有法。
一切の未曾有の法を成就せり。
今まで誰も究(きわ)める事の出来なかった教えの全てを成し遂げているのです。
まだ途中ですがその②へ移ります。
0 件のコメント:
コメントを投稿